単発講座

高校

食料問題と栄養問題

開催日
2024年07月11日(木)
開催場所
横浜市立みなと総合高等学校(横浜市中区)
参加人数
高校1年生229名
講師
株式会社ファンケル
総合研究所
岩崎香里さん

朝ごはんを食べていない子が多いと事前に伺っていたため、朝ごはんや骨の貯金の大切さを皆さんにお伝えしたくお話しました。ディスカッションでは、活発に発言してくれてとても嬉しかったです。発言の中にはお伝えしたいと思っていた内容もあり、生徒の皆さんが日頃からSDGsを「自分ごと」としてしっかり考えてくれていることが感じられました。食品ロスの削減に関しては、事業者は削減目標を達成できていますが、家庭では未達成というのが現状です。講座に積極的に参加する生徒たちの姿勢を見て、家庭での削減目標も達成できると思いました。

今回の講座は、食料問題と若者の栄養問題について。
まず最初に、世界ではまだ食べられる食料が年間13億トンも捨てられているということを紹介しました。他にも、ロシアの侵攻によりこれまで安価に穀物を発展途上国へ輸出してきたウクライナの輸出量が減少し、途上国での飢餓が加速していることや、イスラエルの侵攻によりガザ地区で多くの子どもたちが飢餓で亡くなっている深刻な現状を共有。今この瞬間にも状況が悪化し続けている現実を生徒たちは真摯に受け止めている様子でした。
「日本における食料問題についてどのような対策ができるか?」というディスカッションでは「賞味期限の近いものから消費する」「買い物へ行く前に冷蔵庫の中身を確認して必要なものだけを買う」「野菜の皮などのロスをなくす」など、すぐに実践できるような意見が聞かれました。

続いて若者の栄養問題について。
安価な食品は糖質主体のものが多く、貧困層ほどインスタント食品やジャンクフードを摂る傾向があるため、栄養が偏り肥満率が高いことに触れつつ、日本の子どもたちの肥満率は他の先進国の半分以下というデータを紹介。日本食は脂質が少なく、学校の給食でも日本食が取り入れられていることが要因と考えられ、普段食べるものに気を配ることが大切ということを伝えました。
「日本の若者の栄養問題はどのようなものがあるか?」というディスカッションでは「ダイエットで朝ごはんを抜くなど、栄養の偏りがある」という生徒の声に対して、講師は「朝ごはんを食べないと、体が常に栄養を欲している状態になります。その状態で昼ごはんを食べると体が栄養を急速に吸収しようとして血糖値が急激に上昇します。そのため、ダイエットをしているのに逆に太りやすい体質になってしまいます」と答え、朝ごはんは健康な体を育むことを伝えました。

講座後の質疑応答では生徒から「若者の魚ばなれ」について問いかけられるなど、SDGsを自分自身の問題であると考えていることがうかがえました。生徒たちの積極的な姿勢に頼もしさを覚える講座となりました。

横浜市立みなと総合高等学校
オトリエ紗音さん

日本で年間472万トンも食べられる食品が捨てられていると聞いて、とても衝撃を受けました。若者の栄養問題を聞いた際に、以前自分が鉄分不足で倒れたことを思い出しました。おすすめの食材などを知れたので、これから活かしていきたいです。SDGsは様々な目標があり全てに取り組むのは大変だと思っていましたが、意識せずに行っていた「手前どり」が食品ロスを減らす助けになるなど、知らず知らずに自分がSDGsと繋がる行動ができていたのでこれからも続けたいです。ほかにも食べ物がなくて困っている人に寄付をするなど、これまで知らなかったことにも参加していきたいです。

横浜市立みなと総合高等学校
髙橋寿美乃さん

私は小学生の頃から江ノ島の海岸清掃ボランティアに参加していますが、SDGsの課題がとても大きく、ほかに自分がどのようなことができるのかわかっていませんでした。身近な企業の取り組みを知り、実際に努力をしている人がたくさんいるのだと感じました。特にファンケルの社員食堂で食品の需要予測をしていることが興味深かったです。私も体調に合わせて食品の管理をして、食品ロスを減らしたいです。世界的に見ても日本は肥満率が低く、その理由に日本食の脂質の少なさが関わっていることを知り驚きました。学校の帰りに友達とファーストフード店に寄ることが多く、添加物や塩分を多く摂っている自覚があったので、少しずつでも減らすようがんばりたいです。

横浜市立みなと総合高等学校
靑木恒夫校長

本校は女子生徒の割合が高いこともあって、ダイエットに関心を持つ生徒が多い傾向があります。不自由なく食事ができる環境がとても恵まれているということを自覚し、食事の大切さを感じてもらえたらと思っています。本校でのSDGs講座は今回で3回目になりますが、生徒たちはとても積極的に参加していたと感じました。社会の変化に合わせて講座の内容も変えていってくださっているので、生徒たちにとってとても良い刺激になったと思います。また、授業で話し合いや自分の意見を発表する機会を増やしているので、講座での生徒たちの積極的な姿勢を見て嬉しく思います。生徒たちには社会課題を「自分ごと」として捉え、年齢や国籍を超えて様々な人と協力し課題を解決できるボーダレスな人材に育っていってくれることを願っています。

動画(2024年7月26日放送)

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