高校生と中学生を対象に、ダイバーシティ&インクルージョンと女性特有の健康課題についての講座が開催されました。
最初に、ダイバーシティ&インクルージョンについて共有し、ファンケルでも「みんな違ってあたりまえ」とスローガンを掲げ活動していることを紹介。「なぜ企業がダイバーシティ&インクルージョンを推進するのか?」に関するディスカッションが行われ、生徒からは「いろんな視点をとり入れることで誰にとっても良いと思える商品をつくる」「企業のイメージアップにつながる」という意見が出ました。
次のテーマはジェンダー平等について。2024年のジェンダーギャップ指数では、日本は教育・健康の分野では世界トップクラスであるものの、政治・経済では146か国中118位であることに触れ「日本でジェンダー平等が進まない理由」を考えていきました。生徒からは「男尊女卑の考えがある」「仕事よりも家事・育児が楽という偏見がある」「女性自身が社会で活躍できるという自信がもてていない」という声が挙がりました。これに対し講師は「無意識の思い込みをなくすことや、誰もが働きやすい職場を作っていくことが大切」と語りました。
最後は、女性活躍が期待される一方で知っておいてほしい「女性特有の健康課題」を学びました。講師が「更年期について知っていること」を尋ねると、生徒たちからは「気分がどんより落ち込んでしまう」「肩や腰が痛くなる」や「周囲に相談できない」と返答し、関心を寄せている様子が見られました。続いて更年期の健康課題を考える動画を視聴し、「更年期を知って自分にできること」を題材にディスカッションを行いました。生徒からは「周りの理解を深めて、相談しやすい空気を作る」「母に感謝の気持ちを伝えたい」「母の負担を減らすために家事を手伝いたい」といったあたたかな声が次々と寄せられました。
今回の講座では、意見を発表する際に講師が当てきれないほどたくさんの手が挙がり、とても積極的な様子が見られました。明るく活気に満ちた雰囲気の中、いきいきと意見を発表する生徒たちの姿は、これからの未来を創る力強さを感じさせるものでした。

賢明女子学院高等学校
香山裕莉絵さん
私は様々な活動をする中で、トランスジェンダーの方に会う機会がありました。以前はトランスジェンダーのことを何も知らず、どのように言葉をかけるのが良いかわかりませんでした。どうしたらいいのかと考えることが多くなり、トランスジェンダーについて勉強するようなりました。さらに講座で日本は、政治に携わる女性が少ないことを知り、女性がもっと活躍できる社会を作っていきたいと思いました。また、「他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられる」という講師の言葉を聞いて共感しました。自分がちょっとでも変わって、みんなもちょっとずつ変われば、塵も積もれば山となるということわざのように、未来も変えていけると思います。

賢明女子学院高等学校
神足桂音さん
私は人の意見を聞いて新しいことを知ることや、自分の意見を発表することが大切だと思います。講座で中学生の意見を聞いたり、友人がSDGsについてどのような考えを持っているのかを知れて良かったです。私は今回の講座で、はじめて更年期の健康課題を知りました。母は仕事も家事も忙しく、疲れているはずなのに夜遅くに寝ることも多いため心配になることがあります。私は整理整頓が苦手で母に注意されることもあったので、自分のことは自分でできるようにしたいです。これからは私が、いつも側にいてくれる母の助けになれればと思います。

賢明女子学院中学校・高等学校
柳瀬順子先生
本校ではSDGsの目標をテーマに、企業や地域と関わり合いながら問題解決を考える「Be Leaders」という活動を行っています。生徒たちは活動を通して「人とつがなる力」を実感し、過去には生徒の発案で企業とのコラボレーションが実現したこともありました。今回の講座でも、社会の問題は敷居の高いものではなく「自分ごと」として考え、楽しみながらが発表する本校の生徒らしい姿が見られました。まだ学生なので、社会の問題やその背景など、知らないことや学んでいないこともたくさんあります。生徒たちが「知る・学ぶ」ことの大切さに気づき、これからの活動につなげていってくれることを願っています。


